デッドライン読書会第57回の課題図書は「スタッフエンジニア」です。読みかけですが感想文をしたためます。
感想
スタッフ
どうしても最初に気になるのが「スタッフ」という単語です。日本語の語感からすると担当者・作業員みたいなイメージがあります。英語の場合のスタッフ(staff)は参謀役・補佐役の意味合いがあるらしく、スタッフエンジニアは「技術参謀」といったニュアンスになるようです。
スタッフプラス
エンジニアが能力を磨き、技術を蓄積していくと、組織の中で職種が上がる(昇格する)わけですが、そのキャリアパスの一つがスタッフプラスです。多くのエンジニアが、新入り→ジュニアエンジニア→シニアエンジニアと昇格していき、シニアエンジニアの先で「技術職」をそのまま進むか、「管理職」進むかの選択をすることになります。(一方通行というわけではないと思いますが)
管理職(マネジメント)へ進む場合は、マネージャー、シニアマネージャー、CTOなどのキャリアを積むんだと思います。自身の技術力を磨くだけでなく、人的・組織管理などが割合が高いミッションになると思います。このあたりのテーマは、マネジメントキャリアパスが専門ですかね。
他方、技術職へ進む場合のステップが、スタッフ、プリンシパル、ディスティングイッシュトというキャリアパスで、本書のスコープです。プリンシパルエンジニアといえば、マイクロソフトの牛尾さんが熱いブログを書いていらっしゃいました。なお「スタッフ」以上を「スタッフプラス」と呼ぶようです。関連して、社歴の長いIT企業(老舗のIT企業)では「技監」といった肩書もありますね。これはスタッフプラス側なんでしょうか。

スタッフプラスの種類
本書でもっとも勉強になったのは「スタッフプラス」を分類しているところです、以下4種類があります。カッコ内は私のかなり大まかな役割の理解。
- テックリード(組織の技術的方向性をしめす)
- アーキテクト(プロダクトの技術的方向性をしめす)
- ソルバー(炎上することをその手でどうにかする)
- 右腕(偉い人の技術的右腕)
この分類は役割というかタイプという表現がされていました。4つに分類されるととてもイメージしやすい。
国内ではスタッフエンジニアってどうなってるの?
国内のIT企業で「スタッフプラス」の名前がついている人(役職?)はなかなか聞きません。エンジニアリングマネージャ側はいわゆるラインマネージャーに相当すると思うので、課長・部長・事業部長といった役職・肩書が相当しそうです。ただ、スタッフプラス側はどうでしょう?役職としてCTOを聞くことはありますが、正直それ以外は聞きません。(さきの牛尾さんのブログからするとマイクロソフトにはあるみたいですね)。役職としては定義されていないためか、名刺の肩書・自称・通り名といった非公式な(非公開な)名付けになっていそうです。名前がついていない・役職が定義されていないことは、育成などの組織的な体制維持ができないんだと理解しています。本書はその警鐘に利用できるじゃないでしょうか。
後半はつまみ食いできるインタビュー集
本書の後半は「スタッフたちの実像」として、さまざまな組織で活躍しているスタッフプラスエンジニアへのインタビュー集です。まだつまみ食いの読みかけですが、一人あたり数ページでまとめられているため、読みやすくイメージがしやすいです。本書はここから読むのもおすすめです。
次は?
次の本はkent4989さんのまとめ通りの順番で行きたいです!
コメント