「組織開発」といった領域はいままで勉強したこともなかったんですが、「対話型」という言葉に、いま携わっている仕事に近いイメージを抱き、対話型組織開発のABDに参加してきました。ABD読書倶楽部主催のActhive Book Dialogueで読む「対話型組織開発――その理論的系譜と実践」です。ABD読書倶楽部にはTeal組織に続き2回目の参加です。
ABDを実施している様子
ABD読書倶楽部の特徴は、大著でも一発で一気に読むです。そのため参加者も多い。今回も20名近くの参加者がいらっしゃいました。ABDの流れはこんな感じ。
- アイスブレイク
- 4人でグループを作り、自己紹介
- 本の裁断と、自分が読みたいところを選ぶ
- コサマライズ(1時間15分)
- リレープレゼン(1時間強)
- ダイアログ(1時間)
- グループでのダイアログ
- 全体でのダイアログ
- チェックアウト
- お片付け
合計5時間半くらいだったでしょうか。なかなかヘビーな場。
対話型組織開発の感想
この本は、一人で読むには相当に難易度が高い本だと感じました。組織開発(ODと省略)について、日本では約30年ぶりの本格書ということです。特徴としては、
- 21人の著者による持ち寄り形式の本
- 対話型組織開発に関して、理論、モデル、手法を網羅的に掲載(ODの星座と表現)
- 各章は独立形式のため、辞書的に利用することが可能
- 用語は実践者向け(OD初心者には知らない用語が多い)
といった形です。
本当に私はこの本をちょっとしか理解できていないです。ただ、現在のVUCAの時代には強力なリーダーシップの他にも、集合知により場に応じた判断をするということが求められていることは理解しています。対話型ODという言葉を知る前でも、日常の職場でされる会話や、比喩(メタファー)が重要な手掛かりになり、物事が解決に進むことががると感じていました。今回のABDを通し対話型ODという星座を知ることにより、これまでの活動をより強化できるような気がしました。例えば、仕事でメタファーを使う場合、それは生成的なメタファーになっているか?と自問してみるとか。困難で予期し辛い課題(リスクの高い課題)を見つけた場合、個人の経験やこれまでの事例だけで強引に解決しようとするのではなく、対話によって見通しを立ててみるか、とか。そんなエッセンスだけでも注入しようというのが、少しでも読んだなりの私の挑戦ですかね。(ただ、対話型組織は導入するものではないみたいです、、)
最後にこの会を通じて学んだことをメモ代わりに残しておきます。
- 対話や議論などを英語で表すといろいろな単語が出てくる
- ディベート、ディスカッション、ダイアログ、カンバセーション、トーク
- メタファーをやさしく取り出す手法というものがある
- クリーン・ランゲージ
- 勉強会に出る目的が自分の中でだんだん明確になってきた
- 「もやもや」した感覚を収集すること
- もやもやは現場での実践の場でつながりが起きることが多い。
- もやもやを貯金することは重要なこと
- ABDのような並列分散処理形式は、さまざまな分野に応用できる
- 対話型美術鑑賞
おわりに
たぶんこの本は一人で読んでいたら、苦痛に伴い、1章で挫折していたでしょう、、、しかしABDで読むことにより全部を浅いながらも通読でき、OD(と、その周辺領域)を実践している方々と意見を交換することができました。また、それ以外の領域にも話が及び知識を得る(もやもやを得る)ことができました。コサマライズ中は難読につき大変でしたが、全体手を通してみるととても良い経験ができたと思います。ABD読書倶楽部の次回10月のテーマは、Learn Betterだそうです。興味のる方はぜひご参加ください。
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