デッドライン読書会#02「Effective DevOps(後半)」感想文

課題図書

デッドライン読書会#02の課題図書は「Effective DevOps ―4本柱による持続可能な組織文化の育て方(前半)」です。長い本なので半分ずつで今回は後半の第V部〜最後が範囲です。前半の感想文はこちら(デッドライン読書会#01「Effective DevOps(前半)」感想文)です。

※デッドライン読書会とは何かについてはこちらのポスト:「読書×締切ではじめる「デッドライン読書会」を始めました」をご参照ください。

 

本を読んだ感想

全体

devopsの実現に向けた4本柱の4本目「スケーリング」と、devops文化を実現するための架け橋に関する話が対象でした。ここでいうスケーリングとは、単に大企業へのdevopsの導入を指すだけではなく、企業(組織)の拡大・縮小に対する柔軟な対応にはどうしたらよいか、その時々のライフサイクルで適した技術的なこと、文化的なことに焦点をあてている。

後半部分で身にしみたのは、「明示的か?」・「明文化されているか?」といった記述が多いことだった。価値観や文化は明文化されているか?(私のチームはされていない)。されていれば、共有もできるし、改善もできるため、そこから学ぶことができる。では、なぜ無い場合が多いのかと考えると、現業で忙しいことを言い訳にしたり、なくても成り立つ(ように勘違いしている)と思っていたり、そもそも必要性を感じないからだろう。技術だけでなく、文化もアップデートする必要があると説く本書からすると、明文化は必須事項だと思った。最近経営理念に関する本を2冊ほど読んだので、それに通ずるところも感じた(「実践経営哲学」、「いい経営理念が会社を変える」)。そこからすると、「明文化することも難しい」が、「文化として浸透させることも難しい」という2つの課題がある。ひょっとしたら浸透させる部分はシステム開発よりで考えてもよいのかもしれない。ツールチェインに想いを入れ込んでみたり、コーディングルールや設計のガイドラインに入れ込んだりできるかもしれない。

もう一点共通して面白かったことは、本書では、仕事の外のことをとても多く扱っていることだった。(狭義的な仕事の範囲で)仕事の外とはつまり、休暇・休息・充電、業務後のコミュニケーション、学習、カンファレンスへの参加、社外のコミュニティ活動、食事、健康など。本書は「文化こそがdevops運動の本質」と銘打っていることもあり、何もシステム開発の一部分を改善するといったことが目的でないことがみてとれた。文化を含めて改善するためには、チームとメンバーを広い範囲で捉えてサポートできるようになれるかが重要なのだろう。

個別

個別のテーマで本書内で気になったことを箇条書きします。『』(二重括弧)部分は本書内の引用です。

  • 14.7 チームのスケーリング
    • 『効果的な仕事をするリーダーは、決して「私」とは言わないように思う。…彼らが考えるのは「私たち」のこと』
    • 組織が大きくなると、仕事は分割され一部だけ担当するというのはよくある。そうならないようにしなくてはいけないと思うし、なった場合でも「私たち」という表現が指すように、個人のスキル(責任)をオーバーラップしてみれるリーダーになることが重要だと思う。
  • 14.8.1.1 社員の募集と面接
    • 『強い意見と弱い執着』
    • すごく参考になった。特定の技術や開発プロセスに対して、強い意見を持とう。誤りを証明されたら弱い執着を発揮しようということ。なんとなく「弱い意見と強い執着」が大半を占めていると思います。「昔からこうなんです」ってやつ。強い意見が持てるということはその方法に腹落ちしているわけであって、弱い執着でいられるというのは人の意見をちゃんと聞くことができるという姿勢を示しているんだと解釈しました。
  • 14.8.3.3 見当違いの技術重視
    • 『重要な文化的価値を強調する』
    • チームが何を目指すか、何を理想とするか、決定はどう行われるのか、などチームの文化を明文化することをできていないなぁ(過去にクレド的なものは定めたことがあったがいつの間にかなくなってたことに今気づいた)。前述したが、明文化できれば改善ができるということを忘れてしまっていた。
  • 16章 devopsの4本柱を使って架け橋をつくる
    • 『異なるチームや組織を、サイロではなく島だと考える』
    • 良くない組織の状態を「サイロ化」だとか「井の中の蛙」だとか表現する。これはネガティブなメタファーである。改善をしたいと思うなら、建設的なメタファーを使わなくてはいけない。語彙は豊富に。文化を変えるということはそういった表現にも気を使えるかは大事。

次のスケジュール(#02〜#03)

スケジュールはGoogleカレンダーで分かるようにしています。

  • レビュー(感想の共有)とプラニング(次の書籍選定)
  •  #03の書籍
    • 未定、プランニング終了までに決まります。
  • #03のデッドライン(予定)
    • 読書する時間2Week(4/30~5/13)
    •  ブログポスト期限(5/14)
    • 感想交換1Week(5/15-21)

コメント

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