デッドライン読書会第34回の感想文です。34回から新しい本に入りました。「リーン・エンタープライズ」です。今回が前半、次回が後半でお届けします。デッドライン読書会ってなんだっけ?はこちらの記事をどうぞ。参加者募集中です!
今回の課題図書
今回の課題図書は「THE LEAN SERIES」の一冊である、「リーン・エンタープライズ」です。
リーンシリーズについてはオライリーの特設サイトにまとまって紹介されています。
特設サイトでは「リーン・エンタープライズ」について、説明がありましたので引用します。
新規事業を生み出し、顧客にすばやく価値を届けるには、それを支援する体制が必要です。本書は、あらゆるムダを省き、継続的に仮説検証を繰り返しながら、プロダクトやサービスを構築する「リーンスタートアップ」の手法を既存の企業に適用するための方法を説明します。市場環境や顧客ニーズの変化に対応し、イノベーションを加速させ、組織文化、ガバナンス、財務管理を最適化し続けるハイパフォーマンス組織になるための原則とパターンを、さまざまな成功企業のケーススタディとともに詳述します。
https://www.oreilly.co.jp/special/lean/
リーンをスタートアップではなく既存の企業に適応していくことを主題とした書籍になります。
今回は本書の「はじめ〜第7章」まで読んでいきます。
- 1章 イントロダクション
- 2章 企業ポートフォリオのダイナミクスを管理する
- 3章 投資リスクをモデル化して計測する
- 4章 不確実性を探索して機会を見つける
- 5章 製品/市場フィットを評価する
- 6章 継続的改善をデプロイする
- 7章 価値を明らかにしてフローを増やす
感想文
本書は「会社の存亡は、新規事業を発見し、顧客のために継続的な価値を生み出せるかどうかにかかっています。」からスタートします。既存の企業において、イノベーティブな組織を作る(けっこう細やかな)指南書と言えると思います。ホライゾン3(既存のビジネス)に最適化された組織を、ホライゾン1(アイデア)、ホライゾン2(新規事業)を含めたバランスが取れる運営を模索していきます。
タイトル通り、トヨタ生産方式を参考にしたリーンの考え方がすみずみまで出てきます。なんというかだいぶリーンに精通しているほうが読みやすいのかなと感じましたね。邦訳されているリーンシリーズは本書の前に5冊。その他にも、リーン・スタートアップ、This is Lean、リーン開発の現場、LeanとDevOpsの科学など多数出版されています。このあたりをもっと読んでリーンっぽい感覚が染み付いていたら読みやすいのかなぁ。あ、あと、トヨタ生産方式か。用語としても、「カンバン」、「アンドン」、「現場ウォーク」などTPS感が満載です。
現場ウォーク(gemba walk)
本書前半で頻繁に出てくる「現場ウォーク」、「現地現物」という現物主義はけっこう好きで大切にしたいと思っている考え方。会社にいると、間接的なことが多くなりがち。実物をその場で見ることの重要さは常に意識したい。昨今のリモートワーク下においては、どのように現地現物を実現するかはいろいろ工夫がいりますな。
フロー効率性
それぞれの製品の価値を正確に定義づけること
7章 価値を明らかにしてフローを増やす
それぞれの製品の価値の流れを定義すること
よどみのないフローを作り上げること
顧客がメーカーから価値をプルできるようにすること
完全性を追求すること
バリューストリームマップとカンバンでフローを見える化し、WIP制限を付け、フロー効率性をあげましょうと。制約理論(ToC)にも通ずる話。比較対象としてテイラーイズム(科学的管理法)があげられています(≒リソース効率性)。フロー効率性と、リソース効率性の話はこちらが分かりやすくてたまに読みます。
3つのイノベーションホライゾンの移り変わり
図5-4で「3つのイノベーションホライゾンの製品ポートフォリオの割合の移り変わり」っていうのが出てくるのだけど、これが理解できなかった。ポートフォリオ割合が変わるっていうのはちょっと違う気がするけどなぁ。帆ラインゾン1,2,3のポートフォリオ割合は固定のまま、中身が移動するっていうのならわかるのだけど、、、ホライゾンの考え方を間違っているのかなぁ。ちょっと調べたところ以下が詳しそうなので、いずれ読んでみたい。
おわりに
@kent4989 さんはすでにブログをポスト済みだった。はやいっ。
次回は8章以降を読んでいきます。完了は年明けになる見込み。
コメント