「リーン・エンタープライズ」の後半も読んだ #drc35

 デッドライン読書会第35回の感想文の投稿です。2022年一発目のブログポストになります。今年もデッドライン読書会を継続できるよう頑張っていきたいと思いますっ。今回の感想文は昨年末から読み進めている「リーン・エンタープライズ」です。

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 後半は8章から最後まで。各章のタイトルはこんな感じでした。

  • 8章 リーンエンジニアリングプラクティスを導入する
  • 9章 製品開発に実験的手法を使う
  • 10章 ミッションコマンドを実行する
  • 11章 イノベーション文化を育てる
  • 12章 GRCにリーン思考を取り入れる
  • 13章 財務管理を進化させて製品イノベーションを促進する
  • 14章 ITを競争優位にする
  • 15章 今いる場所から始めよう

後半は企業文化から始まり、GRC(ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス)、財務管理、自社の情報システムの話が出てくるあたりが、リーン・エンタープライズの特徴だったと思います。特にGRCと財務管理について書かれているのが面白いですね。といっても…あまりピンとこなかったですが…仕事でも少し縁遠いからかな(唯一、セキュリティ統制のところは勉強になりました)。

いろんな文書へリンクが続いている

 本書はさまざまな研究や、論考を引用しつつ進みますので、「あー、これ読んでみたいわ」といった積読、他が進みます。いくつかピックアップしておきます。ごく一部。

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ポール・ハマント氏のブログ。様々な企業の開発スタイルが図式化されていてすごい。下記は一例。

Facebook's Trunk-Based Development (take 2)

スティーブ・イエギ氏のGoogleプラットフォームぶっちゃけ話。これは日本語訳されていた。素晴らしい。テックリード必読と本書では謳われていた。

Steve Yegge の Google とプラットフォームに関するぶっちゃけ話を訳した(前編)
GoogleエンジニアのSteveYegge氏、Google+への懸念を漏らすで記事になってたけど、原文とちょっと要旨が変わっちゃ…

10章でミッションコマンドの例として南米のセムコ社の例が出てきた。Teal組織だったか、ホラクラシー経営だったか、名前は聞くが正直良く知らないセムコについての知識(セルラーイズム)も今年はチェックしたいなぁ。

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2ピザチームに誤解があったかも

チームの大きさは2枚の(アメリカサイズの)ピザでお腹がいっぱいになる人数がおすすめという話。チームのコミュニケーションの最適さの観点からこう言われているのかなと思っていたのだけど、浅かった。チームの規模を小さくするのは4つの重要な効果があるとのこと。

  1. 対象に対して共通理解を構築できる
  2. 対象の成長速度を制限できる(例:ソフトウェアの新加速度を制限して共通理解を維持する)
  3. 権限を分散し、自律性を生み出す
  4. 失敗が致命的な結果をうまない環境で、リーダーシップ経験を積むことができる。この結果「起業家精神溢れる人をひきつけ、雇用し続けるのに役立つ」

特に2と4はなるほどなーと思った。勉強になる。Amazon関連の本にも書いてあったんだろうか…。

リーンの原則

リーンの原則とは何?って聞かれたら、このまとめが良い。

バリューストリームを見える化し、フィードバックを増やし、学習を強化し、チームに権限委譲し、ムダと遅延を減らし、WIPを制限し、小さく漸進的な変更を行い、よりよい成果を達成するために継続的に改善する

12章 GRCにリーン思考を取り入れる

学習不安と生存不安

企業において変革を成功するには「生き残りの不安(生存不安)」を学習することへの不安(学習不安)」よりも大きくする必要がある。これに対する戦略は2つあって、1つは生存不安を増大すること。もう1つは学習不安を低減すること。既存の組織は「生存不安」を増やすアプローチを取ってしまうと。本書(といっても、エドガー・シャインですけど)では、学習不安を低減するためのアプローチとしては、下記を提示している。

サポート・トレーニング・余分な時間を与えながら、新しいスキルを学ぶ必要のある高い目標を設定すること。他人とのコラボレーションに見返りがあり、失敗が非難ではなく熟考と改善につながる文化を生み出すこと。

11章 イノベーション文化を育てる

まとめ

 後半は自分の興味は企業文化とか、チェンジマネジメント的なところに集中しました。洋書ですが、一部自分の仕事でも関係あることがあり、ヒントになった感じ。いやー、読み応えがありました。GRCや財務管理の部分をもう少し深彫できるようになりたいなー、そのうち。

 さて、次の本は確かまだ決まってません。今年もデッドライン読書会をどうぞよろしくお願いします。

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