締め切りを決めて積読を消化していくデッドライン読書会。第68回でした。今回の課題図書は「組織を変える5つの対話」でした。以下感想メモです。
感想メモ
どんな本?
ソフトウェア開発現場における「対話」を丁寧に解説する本。「対話」を改善したい人の教科書的な位置づけですね。対話の改善の基礎(4R)から始まりテクニックとたくさんの対話例がのっています。
4R
自分の対話を改善するために、自身が実施した対話から学ばなくてはいけない。その学び方のポイントを4つプラスαで提示:記録(Record)、内省(Reflect)、改訂(Revise)、ロールプレイ(Role Play)、サブ的な要素として、反復(Repeat)、役割の交換(Role Reversal)
- 記録…記憶ではダメで文字に起こすこと。2列で、左側に感情、右側に実際の対話を記録する
- 内省…対話の中で行われた質問の中で「真摯な質問」(他者理解のための質問)の割合はどれだけだったか。自己開示はどれだけできていたか、感情や考えを隠していないか。あと癖(トリガーと無意識の仕草)。
- 改訂…内省で発見した改善点をもと記録に反映して対話をやり直すシミュレーションをする。
だいぶ丁寧。1度は試してみたいがハードルが高く感じる。(まず自分の普段の会話・対話を音声・録画で聞くっていうのが苦しいw)ただ録音でなくても良いという進め方もあったため、1on1の内容などを一度丁寧に文字起こしすることからスタートしても良いかもしれない。本書の改善例を読んでいると、この4Rの実践だけでも、とても幸せな未来が待っているように感じた。やる気が湧きますね。
辻褄合わせからの脱却
対話をする時に悪い癖が反射的な反応、辻褄合わせ。反射的な反応(自動的で無意識、システム1)をするのではなく、考えてから反応(計画的で努力が必要、システム2)をする。認知バイアスにかからないようにちょっと考えるのが大事。
人のためのテスト駆動開発
言葉として面白いのでピックアップ。他の人の動きはしっかりとした対話がなければ(理解がなければ)、(行動の前提の)「観測データ」とその結果の「行動」しか観測できない。ただその間には「推論のはしご」があるはずで、ステップを踏む:データと経験→データの選択→意味を加える→仮定をする→結論を出す→信念→行動。
もし意見や考えの食い違いが起きた時に一体何が原因だったか。それを確認するためには、このステップを1つずつ検証していくのが良い。あたかもユニットテストでグリーン・レッドを判断するかのように。それとレッドになった場合はリファクタリング(「あれ?認識や考えがずれた?」がレッド、「じゃあこっちかな?」でリファクタリング)しつつ、オールグリーンを目指す。
次の本は?
次はこれかなぁ?
「42」の失敗例が集まっているそうな。縁起が良いですね。
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