スクラムなどのアジャイルな開発手法を題材にした本はたくさんあると思います。どんな観点の本があるのか整理して、私のおすすめも紹介します。おすすめしている本は個人的にも再読したい本になります。スクラムのロールとしては、スクラムマスターやチームをイメージしています。(2017年8月27日に更新)
ゼロから学びたい
スクラムアライアンスが発行しているスクラムの経典のようなドキュメントです。フリーで公開されていますので、スクラムに挑もうという方はぜひ一読を。
「マスター先生」と共に学ぶアジャイルの基礎本。発売当初は、XXXXX道場という名前の読書会が頻繁に開催されました。図も豊富で文章も平易ですが、アジリティの高い開発を現場に導入するにはどうしたら良いかの基礎がみっちり書かれています。読むのに1日くらいかかります。
こちらは著者が日本の方ということで、日本の文化にもあった書きっぷりがされていると思います。「ボクくん」が初めてスクラムマスターになりプロジェクトをこなしていく様を、マンガなども利用して書かれています。読むのには半日くらいかかります。
スクラムを始めたけど壁に当たった
スクラム現場ガイド -スクラムを始めてみたけどうまくいかない時に読む本-
内容としてはまさに上記2冊の発展版です。スクラムを始めようとする人、始めてから1年ほどたって壁に当たってる人が想定読者。著者の経験に基づいた解決策を、「物語」→「モデル」→「成功の鍵」という構成で語っています。読むのに3~5日くらいかかります。
エンジニアリングはどうしたら良いの?
スクラムは開発プロセスやマインドについてまとめているフレームワークです。そのためエンジニアリング(どういう手法を用いてプロダクトを作っていくのか、howの部分)に関しての定義はありません。しかしながら、いままで紹介した本には参考として、本の後半にエンジニアリングについてまとめてあるものもあります。「エクストリームプログラミング」はその中でも必ずと言ってもいいほど参照される本です。テスト駆動開発や継続的インテグレーション、ペアプログラミングなどについて記載されています。読むのには半日くらいかかります。
先述のXP本でも取り上げられているテスト駆動開発(TDD)については、2017年10月に専門の解説書が復刊しました。内容や書籍の中で利用されているアプリケーションについても最新化の対応がとられています。古典というとらわれ方をされますが、アジャイルなコンテキストでは必読の一冊です。
ちなみに、さらに深堀したい人向けに、SlideShareにこんなまとめがありました。エンジニアリングの各論でお薦めの書籍についてまとめてあります。20冊くらい。
アジャイルサムライの次に読む技術書
見積もりの詳しいことが知りたい
アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~
見積もりや計画についてまとめた本。初期の計画は達成できる確度が低いという不確実性のコーンの話や、計画はたてておわりではなくメンテし続けることに意味があるといったことを示唆。スクラムで利用される計画ゲーム:プランニングポーカーの説明などもあります。読むのに3~5日くらいかかります。
ファシリテーション能力を向上したい
スクラムマスターとして成長するにはファシリテーション能力が欠かせません。本書の題材は組織変革ですが、ストーリーに出てくる「技」は参考になると思います。書影でご察しのとおりザ・ゴールのような物語調で書かれているため小説としてもワクワクして読めます。読むのには1日くらいかかります。
現在7冊発行されている堀 公俊さんによるファシリテーターの基礎スキル集です。ワークショップや、グラフィックファシリテーションなどいろいろなツールが道具箱のように解説されています。とてもおすすめ。
おわりに
どれも良い本でおすすめ。スクラムなどのアジリティの高い開発手法に興味がある方は手に取ってみるのはいかがでしょうか?
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