「Team of Teams」は読ませるリーダーシップ本だった drc#27

 この投稿はデッドライン読書会第27回の読書感想文です。今回の課題図書は、スタンリー・マクリスタル氏著の「Team of Teams」でした。デッドライン読書会って何?は以下の記事をご参照ください。

課題図書

 課題図書はTeam of Teamsでした。原著は2015年出版、翻訳書の本書は2016年4月出版です。

TEAM OF TEAMS <チーム・オブ・チームズ> | スタンリー・マクリスタル, デビッド・シルバーマン, クリス・ファッセル | 実践経営・リーダーシップ | Kindleストア | Amazon
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 情報量が多い本だったので、いくつか関連リソースへのリンクも貼ります。

著者マクリスタル氏のTED動画。2011年のモノで、退役後、本書出版前の内容のようです。

honzにも書評がありました。honzの書評すごいな~。まとめが正確だ。復習としてとても役に立ちました。

『TEAM OF TEAMS』 効率性から適応力へ、チェスプレーヤーから菜園主へ - HONZ
2003年のイラク、アメリカ軍は新たな敵との闘いに困惑していた。エリート中のエリートたる統合特殊作戦任務部隊(特任部隊)をもってしても、イラクの混乱状態を鎮静化できる道筋は見えなかった。地元の人間の寄せ...

 余談ですが、本書は物理書籍では、472頁とかなりの厚みでした。kindleで買ったから厚さに無頓着だったなぁ。前/後半で、2回戦にしても良い本でした^^; でもまぁいっき読み出来て、積読も減り結果オーライですね。

感想

 著者のマクリスタル氏は、イラク戦争でアルカイダ(AQI)と戦った、統合特殊作戦任務部隊の指揮官。当時のアルカイダとの戦闘に対応するために、20世紀型組織だった特任部隊を21世紀型組織へ変革したストーリーです。だいぶ骨太の本。インプットが多すぎてうまく感想が書けない………。いくつか、ポイントと感じた点、印象に残った点をピックアップします。

透明性の高い情報共有(いわゆる「意識の共有」)と決定権の分散化(「実行権限の付与」)という方針をもとに、軍を根底から構造改革したのである。

第1章 プロテウスの息子たち

2003年当時ネットワーク型の組織構造をもったアルカイダに、特任部隊は苦戦していた。階層組織による高度に最適化されたベストオブベストの組織であったが対応できなかった。そのため上記2つの点から組織の変革を行ったとのこと。ポイントとしては、変化が必要だったのは、戦術やテクノロジーの進化ではなく、軍の内部設計、文化など、マネジメントの問題であったということ。

テイラーの考えだした方法(≒要素還元主義←84zume註)では、マネージャーは効率性を追求する研究者であり、設計者でもある。この方法は、思考する者と行動する者の間に厳格な一線を引く。

第2章 時計仕掛け

物事を分割し、誰でも作業が可能な状態にすることをテイラーイズムとか要素還元主義というとのこと。初めて知りました。僕らの仕事でも身に染みている行動ですね。対極にあるのがシステム論ですかね。二項対立になりそうな感じがあるので、バランスよく両者をとらえるのが良さそうです。

「F3EA」ーFind(探索)ーFix(確定)ーFinish(処理)ーExploit(活用)ーAnalyze(分析)

第2章 時計仕掛け

イラクで活用していたプロセス。経営論や、システム開発における、戦争/戦闘のメタファーってけっこう多いんですが(実はあまり好きじゃない)、本書からも参考になるフレーズは多々あると感じました。これがその一例。

「チーム(TEAM)という単語に個人(I)は存在しない」
(略)
従来の命令型組織と違って、チームは単に総和ではない。一つひとつは弱くても、ネットワークは強力になる。

第5章 命令型からチームへ

着目すべき点はネットワーク。関係性や信頼性、相互依存性。チームが個人から構成されていることに注目しすぎると、MECEな構成(メンバー)を意識してしまう。しかしチームはMECEでは活躍できない。MECEなサッカーチームなんて役に立たないというメタファが本書でもあった。

チームの端が組織の壁にぶつかったとたん、チームらしさはすべて影をひそめてしまうのだった。
(略)
小さなチームが効果を発揮する理由は、小さいからだ。
(略)
7000人もいるチームを、いったいどうやって作ればよいのだろうか?

第6章 チームのなかのチーム

前半はいわゆるサイロ化された組織の話と思います。後半に出てくる7000人とは本書の特任部隊の組織の大きさ。これを氏は透明性の高い情報共有でクリアしていったと語っています。O&Iという日次の全員参加(つまり7,000人!)のオンライン情報共有会議、それと、連絡将校の活用をあげていました。

NASAの成功(84zume註:アポロ11号の事例)は、組織に関する深い見識を示している。なかでも最も重要なのは、相互依存性と未知のもので形づくられる領域では、状況理解が鍵だという点だ。

第7章 システムで考える

ここではNASAの例があがっていました。本書はこういったサイドストーリーが充実している点が素敵な理由でもあります:外科医の事例、日本に開国を迫ったペリー、NASA、ウィキリークス、などなど。

教育はレジリエントであり(復元力があり)、訓練は強固である。

第7章 システムで考える

最近教育施策を考えることが多いため、この言葉はかなり刺さる。

コミュニケーションは瞬時にとれるようになっても、意思決定はまったく早くならなかった。どちらかと言えば、悪影響の方が大きかった。

第10章 手は出さない

コミュニケーションと意思決定は、ニコイチな問題だと。片方を解決するだけでは、組織のパフォーマンスは上がらない。コミュニケーションの円滑化だけ意識しがちだなぁ。

従来の図式は、部下が情報を出し、それをもとに指揮官が全体に対して命令するというものだったが、我々はそれを逆転させた。部下が背景と状況を理解し、連携を取り合って主体的に判断できるよう、上の者たちに情報を出させたのだ。

第10章 手は出さない

さきほどあげたTED動画で語られていた内容ですね。例えば、デジタルのことなら、若いデジタルネイティブな人から学ぶべきだし、そういう人が活躍できる場を整備するのが上司のお仕事ってこと。あと同様の議論は「最強組織の作り方」でも語られていました。

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特任部隊でも菜園でも、大事なのは最初の植え付けより、継続的な手入れだった。収穫を迎えるには、水をやり、草をむしり、ウサギや病気から守ってやることが欠かせない。菜園主には、トマトやズッキーニ、豆をその手で「育てる」ことはできない。できるのは植物か自ら育つ環境を作ることだけなのである。

第11章 菜園主のように組織を率いる

素敵なメタファー!

次回

 骨太だったなぁ。次は何にしようかな。次書の開始は2週間後です。

  • #28
    • 未定

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