課題図書
久しぶりのデッドライン読書会#06の課題図書は及川卓也氏の「ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略」でした。
買ったあとに気づきましたが、400ページに迫る勢いの、がっつりとした本でした。
本を読んだ感想
本書について
本書はマイクロソフトやグーグル、スタートアップなどで働き、いまは大企業のデジタル変革の支援をされている及川氏が著者です。2019年10月15日発行のため、読書会としては早めに手を付けた方ですかね!(といっても2人の読書会ですが^^;)内容としては、すべての日本企業がIT活用を手の内化し、ソフトウェアを活用し外面的(ビジネス)にも、内面的(組織、ひと)にも変革していくためのアイデアを著者が経験してきた本物のソフトウェア・ファースト企業での実体験をもとに整理してくださっています。
本書においては周辺コンテンツが充実しており、私は本に手を付ける前に、Fukabori.fmでこの本に込められた想いも拝聴しました→Fukabori.fm ソフトウェア・ファースト w/ takoratta
それと本書の制作秘話(?)や、没稿となった情報などの補足情報が今後noteで公開されていくらしいです。そちらも要チェックですね。→ソフトウェア・ファースト制作委員会
全体の感想
私自身はSIerにつとめ、事業会社さまへデジタル変革(DX)を支援する仕事もさせてもらっています。その仕事を通して学ばせてもらったことが随所にありました。
- 事業部門と、開発部門の連携の重要さ
- どうしたら「全員がプロダクト志向」になれるのか?
- みんなに自分ごととしてもらうための難しさ
- ソフトウェア開発における外部調達を戦略的に行えているかどうか
- 開発の工程にヒエラルキーをつけてしまっていないか、上流工程が偉い、など。
- 開発の工程にヒエラルキーをつけてしまっていないか、上流工程が偉い、など。
- 本来の「マネージャー」とはチームにとってどうあるべきか
- 改めて、スポーツにおける、監督やマネージャーの役割と比較してみる
- 改めて、スポーツにおける、監督やマネージャーの役割と比較してみる
- 開発技術の進歩の早さと、それにいかに自分自身も追随するか
本のタイトルにある「ソフトウェア・ファースト」ですが、各所でこういった説明がありました。3箇所引用します。
事業やプロダクト開発を成功させるには、ソフトウェアの流儀を知り、ソフトウェアの可能性も知りつつも、現状のソフトウェアが抱える限界も理解して、開発に挑む姿勢が必要なのです。
P.35 ソフトウェアファーストとは
ソフトウェアの可能性を理解した上で、ユーザーの感情に訴えるプロダクト開発を目指す姿勢がソフトウェア・ファーストなのです。
P.146 ハードウェアはソフトウェアのためにある?
1. ハードウェアはソフトウェアのためにある
P.182 ITがすべてではない
2. ソフトウェアはユーザーエクスペリエンスのためにある
3. ユーザーエクスペリエンスは人々の感情を満足させるためにある
このようにソフトウェアをいかに活用・浸透させて、その先のユーザーの感情(行動)をいかに変革させていくかという点は、自分も今後携わってみたい働き方の一つでもあります。
これを読むと、ビジネスとはなんと広いことかと改めて思います。ソフトウェアが中心の仕事とはいえ、見るべきはソースコードだけではなく、ひと、組織、顧客、技術…etc。改めて書いても当たり前なのですが、たくさん。これらをあとからまとめて追おうとすると大変だろうな。日々精進と、T型プラスαの考え方が大事ってことでしょうか。
個別の感想
本書内の個別の記載についてコメントさせてもらいます。
各種方法論
ばりばりエンジニアの方以外も想定読者(【制作裏話】なぜペルソナを他者に作ってもらったのか)なので、開発方法論や、技術動向、組織論などの紹介もあります。本書では触りとなっていますので、文中に紹介されている参考文献に進んでいくと深掘りができそうです。(む。今気づいたけど、この本は最後に参考文献一覧がついていないのか。もったいない…)
インナーソース
オープンソースプロジェクトのやり方を、会社の組織内に持ち込んだ考え方をインナーソースと呼ぶようです。オープンソースのコミュニケーション手法や、コミュニティベースの活動(?)を良い文化として会社の中に持ち込むってこと。
「おもちゃ」が世界を変えたことです
本書で何度か出てきますが、ソフトウェア・ファーストの考え方になれるように、「おもちゃ」でたくさん遊ぼうと。新しいスマホのアプリをいれてみたり、SaaSの新しいサービスを触ってみたり、など。私もそれなりにいろいろ新しいもの触る性格ではあるんですが、もっと戦略的(!?)に触ってみようかなぁ。せっかく買ったHMDもあまり活躍していないし…。
次回(#07)
スケジュールはGoogleカレンダーで分かるようにしています。第7回は次の要領です。
- #07の書籍
- レガシコードからの脱却(前半戦)
- デッドライン
- #06の感想交換1Week(11/11〜17)
- #07の読書する時間2Week(11/25~12/7)
- #07のブログポスト期限(12/8)
コメント
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