後輩と仕事をして気づいた3つの大事なこと:コミュニケーション・クリティカルシンキング・誠実さ

仕事で感じたことの話です。

社会人歴も15年目となりました。プロジェクトの形態でシステム開発の仕事や支援の仕事をやってきましたが、職務経歴上下っ端の期間が長かったように思います。偶然にもここ2年ほどは後輩さんがいる仕事。そのお陰で学べること・気付けることが多いのでメモっておきます。

先輩・後輩・自分と話すと何に意識が向くのか?

先輩・後輩・自分とコミュニケーションを取ると、自分の意識が向く場所が異なるなと感じています。自分が時間軸のどこに意識をおいてコミュニケーションをしているかという点です。

先輩の場合は「いま」:「最近どう?」、「プロジェクトは順調?」「来期は何をしたい?」といったやり取り(先輩からの質問や、上司との1on1で聞かれること)です。このような問いかけで自分の今を整理することができているような。来期はなにしたい?は未来の話のようですが、ステップ・バイ・ステップで考える過程で結局「いま」の話にいきつきます。

後輩の場合は「過去」:「お客さんとのコミュニケーションはこうした方が良い、過去にも〇〇があった」、「自分は3年目の頃にこういうことやっていたけど、、、」といった過去の自分の経験を思い出し、お伝えする行為。

自分の場合は「未来」:「来年子供と何して遊ぼう」、「勉強のやり方に根本的な変化が必要だ」、「本を読めてなくて将来大丈夫だろうか」といったちょっと先の話。自分と話すというのは、一人で考え事しているときということです。

最初に書いた通り、特に気づきがあったのが、後輩とのコミュニケーションの場面です。思考が過去にいくのはいいなと。過去の経験や実践を思い出し、背景・課題・解決策・結果・いまの課題みたいなことを整理して話そうと努力するので、自分にとって多くの学びがあるわけです。しかも思い出すのは重要なことですからね。些細なことは忘れちゃった。

そんなやり取りで、似た話を繰り返しており、それが「コミュニケーション」と「クリティカル・シンキング」と「誠実さ」だったわけです。どうもこの3つは私が仕事で大切にしていることのようです(2023年時点)。

「コミュニケーション」と「クリティカル・シンキング」と「誠実さ」

早速、クリティカル・シンキングをポイントだと言っているのに、3つのバランスが悪いのはすいません💦コミュニケーションという言葉がビッグワード過ぎて全部を含んでしまうため、言いたいことが3つあるのにバランスが悪くなってしまいます。私の言語化能力(解像度)が上がればバランスの良い主張ができるようになるでしょう、成長に期待。

コミュニケーション

システム開発はお客さまがいてチームがいて成り立つ仕事です。そのため、コミュニケーションは必ず発生します。現在はコミュニケーションのチャネルも多様で、会話・チャット・Web会議・電話・メール・課題管理・稟議・設計・レビュー・ウォークスルー・障害報告・雑談などがあり、根本的に難しいテーマです。

それぞれのチャネルの使い方を工夫する前に目的は何かと立ち止まると、コミュニケーションの目的とは、情報の送り手が意図したように受け手が動いてくれることと考えています。そのためには、何を伝えるか(伝搬する情報量の問題)、いつ・どう伝えるか(受け手が動きやすくなるかの問題)、周辺への影響を考える必要がありそう。

何を伝えるかにおいて注意することは、情報量は必ず送り手が多く、受け手が少なくなることです。伝搬のロスをしないように、加えて付加価値・追加情報を付与するのがポイント。送り手の都合で例えば「以前定例会でも説明したし、このポイントは省いても良いか」なーんてすると、実は受け手はその時は内職をしてて内容が頭に入っていないかもしれません。フローなチャネルで注意喚起し、ストックなチャネルでくどくど情報を残すっていう作戦が有効だったりします。

いつ・どう伝えるかを考えるときには、先程書いた通り、「受け手が動く」ことが大事になります。同じ事実を伝えるにしても、相手が受け入れやすい言葉とタイミングでお渡しするのが良いでしょう。受け入れやすい言葉の選択とは、例えば、

  • 言葉に乗せるべき感情はどれか?
  • ポジティブに行くか、ネガティブに行くか?
  • プッシュ型でいくか、プル型でいくか?

タイミングにも意図が必要です。忙しいときに伝えるか、曜日はいつ、時間はいつ。迷ったときの基本方針は早めですが、早いだけがタイミングではないですよね。

周辺の影響は、コミュニケーションをマンツーマンでしていたとしても、意外にまわりにもその影響があるってこと。チームですからね。

クリティカル・シンキング

思考法自体は何を採用しても良いと思います。構造的に物事を捉えることができる重要さを改めて感じているわけです。クリティカル・シンキングの場合は、主張したい主題があり、その主題を論ずる仮説があり、仮説を支える分析があり、主題と仮説と分析を仮組みした上で、微調整しながら全体を構築していきます。「全体」の大小はあるものの、様々な場面で、クリティカル・シンキングをできると楽だなと思います。ここでいう「楽」というのが「他者に伝搬するのが楽」を指すため、この話もコミュニケーションに包含されていきます。

「全体が大きい」場合の例としては、システムやアプリケーションの「品質分析」を行いレポートをするするというお仕事が考えられます(この例えは難しすぎてツッコミどころがありますが、大きい場合の例ってことで…)。全体として品質はどうなのか、その主張を支える仮説(論点)はなにか、仮説を裏付ける定性分析・定量分析はどうか。10-20ページくらいで論じるような場合です。

「全体が小さい」場合は、テストで発見した不具合の原因分析などでしょうか。以下のようなツーリです。

不具合の内容
 └原因
  ├ 原因に対する解決策はなにか
  ├ 原因に対する横展開の対応はなにか
  └ 原因を起こした真因はなにか
    └ 真因に対する再発防止はなにか

上の例は小さくて数が多いものといった特性があるため(思考の)テンプレート化をおこないやすいです。頻度が多くない場合では、少し考えて構造化できれば他者と共有しやすくなるというのがポイントです。話している最中に迷子になることを防止できます。

#ちなみに全ての物事を構造化してはいけません、そうするとただの鬱陶しい人になっちゃいます笑

誠実さ

昔、お二人の大先輩に「PMって嘘をついてもいいものですか?」といった趣旨の質問をしたことがあります。そのときほぼ即答で「つかない」と言ってもらえて、その後のやり取り含めて記憶に残りました。

物事・人に対して、真摯に・誠実に・丁寧に・本気で・プロとしての意識をもって(≒キーワードを心に秘めて)いるのが良いと思います。そうすると、使う言葉の選択・気持ちと感情の乗り方・初動の早さ・リスク感度・学びの方向性などに違いが出てくるように思います。さらにそのちょっとした違いの積み重なりがプロジェクトやプロダクトのゴールに影響するんじゃないでしょうか。

そして、その他もろもろ

「コミュニケーション」と「クリティカル・シンキング」と「誠実さ」について書いてみました。エンジニア・ビジネスパーソンは学ぶことがたくさんあるので、この3つの刃を研ぎながら、他のこともいっぱい積み重ねる必要はあると思います(「誠実さ」の研ぎ方だけ補足しておくと、技術者倫理があげられます)。

その他のもろもろは生涯学習です。何を学ぶかというより、学ぶのは楽しいよね・ともに学ぶ仲間がいるよねっていうのが大事なのかなぁ。あとたくさん本を読もうってことですかね。

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